明石工業高等専門学校 梶村好宏ホーム

研究テーマ

宇宙放射線防御と推進力発生機構を兼ね備えた磁気プラズマシールドの性能評価および性能向上に関する研究

宇宙線から人体及び宇宙機を保護するための磁気シールドをコイル磁場によって形成するために必要な、コイル磁場、 噴射プラズマの位置や密度、温度などの各パラメータを明らかにすることを目的とする。また磁気シールドだけでなく、 太陽風を受けて推力を得る磁気プラズマセイルを同一磁場で達成出来ることを実証する。 さらに、宇宙機から噴射したプラズマが磁場に捕捉されることで生じるリングカレントを用いて、 磁気シールド性能、磁気プラズマセイル性能を向上させる手法の開発も行う。

  • 本研究は科学研究費補助金(基盤C)の援助を受けて実施しました。
  • 平成28年度~ JAXA/ISAS 大学共同利用システムの研究員(補)として研究を継続しています。
  • 平成28年度~令和元年度、JAXA研究員として、全国共同利用施設の先進プラズマチェンバーの利用公募の申請採択を受けて、8月および1月に実験を行いました。
  • 新宇宙推進エンジン、磁気プラズマセイルの研究開発

    宇宙機に搭載した超電導コイルが作る磁場(磁気圏)を帆として用い、太陽からの超音速プラズマ流を受けて宇宙を航行する 「磁気プラズマセイル」の研究開発を行っている。太陽風から得ることができる推力特性の評価、 磁気帆の拡大の為のプラズマ噴射技術の開発およびその評価を行っている。(図1)

  • 本研究は科学研究費補助金(若手B)の援助を受けて実施しました。
  • 引き続き、平成26年度~ JAXA/ISAS 大学共同利用システムの研究員(補)として研究を継続しています。
  • 平成26年度 JAXA研究員として、全国共同利用施設の先進プラズマチェンバーの利用公募の申請採択を受けて、8月および1月に実験を行いました。 梶村研究室の萩原君が卒業論文の研究として、実験に協力してくれました。詳細論文はこちら。
  • 梶村好宏、大塩裕哉、船木一幸、松本正晴、山川宏、熱プラズマ源を用いた磁気ノズル型プラズマセイルの推力測定実験、第58回宇宙科学技術連合講演会論文集、2J17, 2014.
  • 梶村好宏、萩原達将、大塩裕哉、船木一幸、プラズマセイル併用型磁気ノズルスラスターの推力測定実験、平成26年度 宇宙科学に関する室内実験シンポジウム論文集、2015.
  • 梶村好宏、萩原達将、3次元ハイブリッド粒子モデルを用いたプラズマセイル-磁気ノズル複合推進機の性能最適化、平成26年度KDKシンポジウム、2015.

  • 萩原君の卒業論文 平成26年度明石高専卒業論文「熱プラズマを用いた磁気ノズル型プラズマセイルの推力評価にむけた研究」
  • 平野くんの卒業論文 平成25年度明石光線卒業論文「磁気ノズル併用型磁気プラズマセイルの推力評価」

  • 平成27年度 JAXA研究員として、申請していたチェンバー利用の採択を受けました。27年8月、28年1月の実験に向けて準備を行っています。

  • 磁気プラズマセイル実現に向けた、数値解析については、明石高専 梶村研究室の専攻科1年生山下龍くんが頑張ってくれています。磁気プラズマセイルの磁気帆拡大に向けた研究と題して、明石高専専攻科 山下 龍君が専攻科特別研究として挑戦しています。タイトル「磁気プラズマセイルの推力特性の評価」平成26年~平成27年度

    図1:磁気プラズマセイルの研究概要(JAXA 宇宙科学研究所 船木研究室との共同研究)

    宇宙推進用イオンエンジンの性能向上に関する研究

    惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンは、イオンを加速グリッドで加速排出し、 その反力で推進力を得ます。イオンエンジンの寿命は、加速グリッド(カーボン複合材)が、 イオンや中性粒子の衝突によるスパッタリングによって損耗し、加速性能が失われることで訪れます。 この一連の現象をシミュレーションツール(JIEDIコード:Flux-Tube法+解析格子自動生成再構築ツール) により高精度に模擬し、寿命向上、性能向上の実現を目指し、研究開発を行っている。(図2)

  • JIEDI プロジェクトのホームページへ
  • 図2:用イオンエンジンの性能向上に関する研究概要(JAXA 宇宙科学研究所 船木研究室、首都大学東京 産技高専 中野研究室 他との共同研究)

    核融合発電の実現に向けた研究開発

    金属粒子からの水素脱離手法の検討について、核融合科学研究所との共同研究をスタートしました。(平成29年度~)

  • 核融合研究において、燃料であるトリチウムの取り扱い方法や運搬方法は、安全に核融合炉の運転を行う上で非常に重要である。 トリチウムの運搬は、核融合の反応前後において液体金属に吸着させて運搬させる手法が提案され、研究されている。このときトリチウムは溶融塩に⼀度滞留するが、 そのうち⼀部は炉外へ透過・漏洩する可能性がある。この問題を解決するため、金属の微粒子を液体金属内に混合することで、トリチウム溶解度を上げるという案が提案された。 混合させる金属粒子の候補は、現時点ではナノチタンや粉末状にしたチタンが候補として挙げられている。これらの候補は、核融合炉の配管等の腐食を抑制することも期待されている。 本研究では、トリチウムを吸蔵したチタン粒子に電磁波を照射した際、トリチウムの脱離量のマイクロ波の波長依存性、照射エネルギー依存性を定量的に評価し、 トリチウムの吸蔵、脱離の効率化を図ることを目的とする。

    レーザー核融合発電の実現に向けた研究開発

    高速点火型慣性核融合炉(KOYO-Fast)の実現に向け、核融合によって生じるα粒子からの レーザービームポートおよびレーザー光源の防御(主としてパルス磁場による防御) の手法及び評価を行っている。 解析にはイオンを粒子、電子を流体として扱うハイブリッドプラズマ粒子 (Hybrid-PIC)モデルを主として用いている。この他に、電子、イオンをともに粒子として 電磁界中の挙動を解析するFull-PICモデル(TRISTAN code)を用いた解析、評価も実施している。(図3)

  • レーザー核融合分野の研究に関しては、大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 乗松孝好教授と共同で、核融合開発に必要な様々な分野の要素技術の研究を実施しました。 核融合炉設計部会のメンバーに加えていただき、核融合実現に向けた貢献を行いました(平成29年度まで)。

  • 慣性核融合炉用レーザービームポートの磁場によるα粒子防御システムの開発について、 平成29年度 長岡技術科学大学との共同研究経費の採択(50万円 共同研究者 菊池先生)を受けました。

  • レーザー核融合炉に用いるレーザービームポート防御のための液体金属コイルシステム構築に関する研究について、 平成26、27年度 長岡技術科学大学との共同研究経費の採択(40万円 共同研究者 長岡技科大菊池先生、佐々木先生、高橋先生、阿南高専西尾先生、長岡高専田村先生)を受けました。

  • 本研究費の採択を受けて、明石高専梶村研究室では、小山大地君が、5年卒業研究として下記の研究を行いました。
  • 平成26年度明石高専卒業論文「レーザー核融合に用いる光源防御用の液体金属コイルシステムの開発」 小山大地 指導教員 梶村好宏

  • レーザー核融合では、レーザー集光地点にDT燃料をガスガンで加速して噴出するわけですが、その飛行姿勢の把握及ひ制御に関する研究として、梶村研究室の中島希君が、以下のタイトルで卒業研究を行いました。
  • 平成26年度明石高専卒業論文「磁界を用いた核融合燃料球ターゲットの飛行姿勢制御」中島 希 指導教員 梶村好宏

  • 液体金属コイルシステムの構築に向け、液体金属であるLiPbの代わりにとして水銀を液体金属コイル中に用い循環させるシステム構築の検討のため、卒業論文研究として、梶村研究室の金澤和哉君が、下記のタイトルで研究を行いました。
  • 平成25年度明石高専卒業論文「ビームポート保護のための水銀循環システム設計」金澤 和哉 指導教員 梶村好宏

    図3:α粒子からのレーザーポート防御手法 (パルス磁場による防御)に関する研究概要 (大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 乗松研究室、九州大学総合理工学研究院 エネルギー理工学部門 中島研究室との共同研究)

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