機械工学科

卒業生紹介

1975卒(9期生) 大釜文広氏(くろがねエンジニアリング)

プロフィール

大釜 文広(おおがま ふみひろ)
昭和50年3 月31日 国立明石工業高等専門学校機械工学科卒業
昭和50年4 月1 日 輸送機工業株式会社入社
昭和53年3 月31日 退社
昭和53年4 月1 日 株式会社くろがね工作所入社
平成12年5 月1 日 くろがねエンジニアリング 設立
(2017年3月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
1.家業が「鉄工所」であり、機械工学を学びたかった。
2.国立ブランドに憧れた。

■明石高専で一番印象に残ったこと
「機械技術」以外の世界にも関心を広げられ、多感な時期を有意義に過ごすことができました。

■明石高専で学んだこと
「材料力学」「機構学」「図学」「流体力学」「熱力学」「電気概論」「電子計算機プログラム」
研究目的で先輩の自作したヨットに乗せてもらったのがきっかけで、現在もヨットレースを楽しんでいます。

 ■入学希望者や在校生へのメッセージ
「安らかな人生」のみ探ることより、「志」を叶えたいと思う皆さんには、きちんと応えてくれる学校です。
ぜひ来てください。

1982卒(16期生) 梶井紳一郎氏(震動実験総合エンジニアリング株式会社)

プロフィール

  梶井 紳一郎(かじい しんいちろう)
1982.3.31 明石工業高等専門学校機械工学科卒業
1982.4.01 三菱重工業(株)入社
1993.4.01 東京大学生産技術研究所に受託研究員として入所
1994.3.31 同 研究員終了
2003.10.1 神戸大学大学院自然科学研究科(機械システム科学専攻)後期課程入学
2005.9.30 同 後期課程修了[博士(工学)号取得]
2011.4.01 明石高等工業専門学校機械工学科 非常勤講師就任
2016.3.31 同 非常勤講師離任
2016.3.31 三菱重工業(株)退社
2016.4.01 震動実験総合エンジニアリング(株)入社
(2017年10月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
中学時代は自分が何に向いているとか?将来何になりたいとか?そういったことすら想像しておらず、ただ漠然と普通高校にいくのかなという程度しか考えていなかった。高校入試の最終時期に担任教諭から高専を勧められた際、大学に入らず短大卒の学歴で社会にでることの可能なこういう学校も近くにあるのだと当時変に感心しました。

■明石高専で一番印象に残ったこと
中学時代に比べると、比較的自由な校風であったところかな。
まず、一応黒の詰め入り学生服と学帽を入学に際して購入した記憶がありますが、それを入学後に毎日着て通学した記憶がありません。
また、当時は自家用車やオートバイでの通学も禁止されていなかったためご多聞に洩れずオートバイで通学していた時期がありました。
毎日がすごく楽しかったことが印象に残っています。

■明石高専で学んだこと
「勉強」というのを対象にするとそのやり方です。つまり、工学の世界では一朝一夕に知識が蓄積されないということです。当時使っていた古典力学書をみるとあるページ付近だけ手垢で黒ずんでいました。これが卒業後においても同じような軌跡をたどっています。民間企業の研究所への就職となったため、仕事で必要な個所は空で言えるくらいまで繰り返し見ることが多くありました。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
自分自身が理系向き?などと考えるまでもなく、入学してしまうと自然に工学と自身の関係が築かれると思います。特に実習内容が充実しているため「聞いてみて」、「見てみて」、「やってみて」、「考える」癖がつくでしょう。
非常勤講師として教壇に立ち現代の明石高専の学生さんと接する機会を得たのですが、一般社会の実際の話を講義中に時折混ぜて話しましたが、全員の目が爛々と輝いていくのに気づきました。学校での勉強や部活以外にもこのあたりの知識が増えるともっと社会に入ってからいろいろな意味で大きく成長できるだろうなと感じています。

1984卒(18期生) 正信幸一郎氏(三菱電機エンジニアリング株式会社)

プロフィール

  正信 幸一郎(まさのぶ こういちろう)
1984年3月 明石工業高等専門学校機械工学科卒業
1984年4月 三菱電機エンジニアリング(株)姫路事業所 勤務
     ・車のエンジン周辺部品の製品設計、実験、品質管理、生産設備の設計、
      3DCADの導入展開、システム管理などに従事。
     ・機械製図技能士1級、初級シスアド、情報セキュリティアドミニストレータ(旧)、
      英検2級、工業英検3級などを取得。
(2017年11月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
電気会社に勤めていた父親の影響が大きいと思います。それと家も裕福でなかったので早く就職したかったのです。私が入学した頃は高度経済成長のまっただ中でしたが、早くから大学に匹敵する専門教育を受けさせてくれることと、就職率の高さとで明石高専を選択しました。また、色々な地域から学生が集まってくるので、世界がもっと広がるのではないかという期待がありました。

■明石高専で一番印象に残ったこと
授業を初めて受けたときに、中学校の時とは全く違うレベルの高さにびっくりしました。また専門書の充実している図書館も初めて見たので驚きとともに興奮を覚えたのを記憶しています。本はよく読みましたが、あまり成績は良くないままでしたね(笑)。機械工学科の教授はとても親しみやすくてわかりやすく質問に答えて下さいました。

■明石高専で学んだこと
技術者として、表面的な知識だけではなくその裏にある原理原則を常に考えなさい、と言われたことを、今でも意識して仕事に取組み、後輩にも指導しています。卒業してから30年がたちますが、今でも教科書や当時のノートを見返して設計業務に活かすこともあります。座学だけではなく実習を通し体で学べるので、忘れることはありません。
また、高専出身というだけで、信頼感を持って接して貰えることも多いと思います。在学中はバレー部に所属していましたが、クラブ活動と勉強を両立させるためいろいろ努力したことは、忙しい仕事との両立をさせるのに、今でも役に立っています。また、クラス以外の色々な年代の人との付き合い方を学ぶいい機会になったと思います。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
ここで学んだことは私にとって一生の財産です。20歳になるまでの5年間を一貫した教育体系の中で学べる環境は非常に恵まれたものだと思います。IoTの時代を迎え、あらゆるものがネットにつながるようになりますが、基礎となる技術そのものに変わりはありません。むしろますます重要さを増すと思います。そんな中、社会の中核をなす人材として多いに活躍されることを祈念致します。

1987卒(21期生) 村井啓介氏(旭化成株式会社)

プロフィール

 村井 啓介(むらい けいすけ)
1987年3月 明石工業高等専門学校機械工学科卒業
1987年4月 旭化成株式会社入社
生産設備の機械設計を担当、国内増設及び海外(台湾)での工場建設に従事
2006年6月 同社 旭シュエーベル工場 設備管理課長就任
2017年2月 同社 生産技術本部 設備技術センター 守山設備技術部 機械設計課長就任
(2018年2月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
子供の頃からものを作るのが大好きで、機械設計を勉強したく思っておりました。進路を考えていたところ、父親の勤務先でバリバリ働く高専卒業生の様子を聞いたことや、父親の勧めもあり、明石高専機械工学科を選びました。
早く働きたいと言う思いが強く、大手企業からの求人も多く、就職率100%であることも魅力的でした。

■明石高専で一番印象に残ったこと
カリキュラムが多く授業時間も長かったのですが、5年間陸上競技を続けることができ、5年生の時の全国高専大会では、1500mに出場し優勝することができました。勉強と部活の両立ができたことは、その後の社会人生活に大いに役立っています。

■明石高専で学んだこと
機械工学の基礎知識はもちろんのこと、機械設計製図・溶接や旋盤などの機械加工などの実習は、その後の実際の機械設計に従事していく上で非常に役立ちました。
また、機械工学の知識を得るには、漫然と授業に参加しているだけではだめで、自ら勉強し知識として身に着けたい、理解したいという強い気持ちが必要だと学びました。このことは、実際の機械設計だけでなく、様々な課題を解決するに当たり必要な能力であり、これを身に着けることができたのは自分にとって財産だと思います。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
高専を卒業してすぐに旭化成に入社をしましたが、生産設備の機械設計を担当する事が出来ました。国内工場だけでなく海外工場の建設にも携わり、高専で学んだことを活かして、色々な経験を積むことが出来ました。旭化成では生産技術開発、設備管理、製造など様々なフィールドで多くの高専卒業生が働いており、現場を熟知した部長や課長としても活躍をしています。大学へ進学し知識を増やしてから働くのも良いですが、即戦力の人財として多くの企業から期待をされていますので、卒業して社会へ飛び込むのも一つの選択肢だと思います。

1991卒(23期生) 横山勲氏(株式会社デンソーテン)

プロフィール

  横山 勲氏
1991年 3月 明石工業高等専門学校 機械工学科卒業
1991年 4月 富士通テン株式会社(現:株式会社デンソーテン)入社
Car Infotainment機器の構造設計を担当。
アフターマーケット向け 及び 国内・海外自動車メーカ向け製品開発に従事。
2012年12月 同社 CI技術本部 技術二部 エキスパート 就任
2016年 4月 同社 CI技術本部 機構技術部 第四技術チームリーダ 就任
(2018年9月 掲載)

インタビュー

 

■現在の仕事について
入社以来、Car Infotainment機器の構造設計に従事しています。
Car NavigationやCar Audio等が主な製品として挙げられますが、昨今は自動車メーカさんと一体になって共同開発することが多くなってきています。
また、実際に樹脂部品やプレス部品の設計するに辺り、CAE解析(シミュレーション)や評価等も行っていますし、新技術調査等も行っており、手広く開発業務全般に携わっています。
学生時代からのクルマ好きが嵩じ、自動車部品メーカに入社しましたが、まだまだ熱は覚めやらず。
入社後、長年の夢であったAlfaRomeoを手に入れ、いつの間にか17年が経ちました。
現在も愛車と(家族との?) 週末のドライブを楽しみにしています。

 

■明石高専を選んだ理由
とにかく、大学受験をしたくなかった!(笑)というのも大きな理由の一つですが、大学受験に時間を割くことなく、しっかりと勉強し、専門知識を身につけられるのでは無いかと思ったのが一番の理由で、「明石高専」を選びました。
また、人と同じ道を歩む事も好きでは無かったため、中学校の進路相談で少数派で異端児(?)である「明石高専」という道に進む事を選びました。就職先も国内大手メーカから多数の求人があったことも理由の一つです。

■明石高専で一番印象に残ったこと
5年間という長い期間でしたので思い出は色々とありますが、社会人になった今思い起こすと、とにかく勉強はしていたんだな・・・と思う様になって来ました。入学し1年生の時間割が配られた時、8時間目まで授業 があって、終了時刻が17:10だったのには正直驚きました。(笑)
しかしココまで勉強してたんだな、という自身が今の自分の中にはあります。
また、勉強の事ばかりではなく、思春期の5年間同じクラスメイトと過ごせた事も貴重な思い出です。素晴らしい仲間に巡り合い、生涯の友として今でもSNS等を通じて、仕事やプライベートな事、色々な面で助け合っています。年に一度、同窓会(?)と称して集まってワイワイやっています。

■明石高専で学んだこと
当時、普通科に進んだ中学校時代の友人と話をする度に、勉強の話は全く噛み合いませんでした。
まるで、別世界の勉強をしている様な気がしていたことを記憶しています。今思えば、早くから工学の道を歩んでいたのだと思います。
とにかく5年間で、様々な工学の基礎を学びました。卒業し、就職してからも苦労する事無く、工業系大学の同期とも互角に仕事が出来た事にも感謝しています。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
自信を持って、高専生活をEnjoyして下さい。勉学に勤しむのも良し、クラブ活動に打込むのも良し、貴重な5年間を思う存分楽しんで下さい。先にも書きましたが、明石高専でキチンと勉強すれば、工学の基礎はしっかり身に付くと思います。
教科書に書いてある全ての知識を頭に詰込む必要はありません。社会に出て、色々な職業に就くと思いますが、様々な場面で困った時、「あ~、確かコレ、高専で習ったヤツやな?○○先生が講義で言うとったな?」位で構いません。ソレに気が付けるかどうか?が重要だと思います。
いつかどこかで、卒業生の方とお会い出来る事を楽しみにしています。

2000卒(34期生) 山口哲氏(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座)

プロフィール

山口 哲(やまぐち さとし)
学歴
平成12年3月 明石工業高等専門学校機械工学科 卒業
平成12年4月 明石工業高等専門学校専攻科機械電子システム工学専攻 入学
平成14年3月 明石工業高等専門学校専攻科機械電子システム工学専攻 修了
平成14年4月 大阪大学大学院基礎工学研究科システム人間系機械科学分野博士前期課程 入学
平成16年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科システム人間系機械科学分野博士前期課程 修了
平成16年4月 大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻機能デザイン領域博士後期課程 入学
平成18年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻機能デザイン領域博士後期課程 修了
職歴
平成18年 4月〜平成20年 3月 立命館大学総合理工学研究機構 ポストドクラルフェローシップ
平成20年 4月〜平成25年 4月 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 助教
平成20年 5月〜平成22年 3月 立命館大学情報理工学部知能情報学科 客員研究員
平成21年 4月~平成22年 3月 大阪電気通信大学総合情報学部 客員研究員
平成24年 4月〜平成24年11月 ニューヨーク大学歯学部 客員研究員
平成25年 5月~平成29年5月 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 講師
平成29年6月~現在 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 准教授
平成29年 1月~現在 大阪大学歯学部附属歯学教育開発センター 教育評価部門 兼任
(2019年5月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
当時、ゲームをすることが大好きで、母親に懇願して購入してもらったゲーム機で良く遊んでいました。そんな中、友人宅にてBASIC言語で作成されたゲームをさせてもらう機会がありました。内容はとてもシンプルで、大砲を使って二人で打ち合いをするというものでしたが、こんなゲームが自分で作れるんだ!と妙に興奮したことを覚えています。その後、中古のコンピュータを自身で購入し、ゲームをやるよりも徐々に自身で作る方に興味が移っていきました。中学校の技術の授業の中で、コンピュータを使ってプログラムを作成することに、とてもワクワクしたことを覚えています。そういったところを見ておられたのか、受験の時期になると、担任の先生が高専への進学を提案してくださいました。親元を離れて寮生活することに対しての不安もありましたが、早い時期から専門性の高いことを学べる場ということが決め手となり、入学を目指すようになりました。当時の高専のパンフレットが今でも残っていますが、卒業された先輩方の記事や授業風景の写真を何度も何度も見て、夢を膨らませていたことを覚えています。

■明石高専で一番印象に残ったこと
自由な校風でしょうか。これは今の自分を作るのにとても重要な要素だったと思います。私服で髪型や髪の色が自由というのは、中学生の頃に丸坊主だった自分にとってはとても新鮮でした。自由の意味をはき違えることなく、学びに集中できれば、個性を失わずに自分を輝かせることができると思います。このように、自身を抑え込むことなく、様々な個性を持った学生が行き交う中で学ぶことで、どんな人と接しても柔軟に対応できる許容力が養われます。今でも異なる分野へ飛び込むことに全く抵抗を感じないのは、もしかすると、こういった校風で学んだことが関係しているのかもしれません。

■明石高専で学んだこと
学んだことが多すぎて一言で申し上げるのはとても難しいですが、あえて言うならば、「高専魂」でしょうか。とにかく手を動かしてやってみる。ダメだったら他の手を考えてまたやってみる。何かできるまでやめない。もの作りに限らず、私の好きなプログラミングでも同じプロセスを踏みます。「Think」というより「Figure out」という言葉が、ただ考えるのではなく、手を動かしながら考えを絞り出すという点でしっくりときます。こういった精神を自然に学ぶことができました。これは今の研究で壁にぶつかった時にも問題を解決する源として、とても役立っています。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
自身の可能性を最大限に引き出すことのできるのが高専です。各分野のプロフェッショナルである先生方が学生のモチベーションを高めてくださいます。機械工学科のみならず、他学科の学生との交流もできます。私は潮寮で専攻科も含めて7年間過ごしましたが、さまざまな出会いがあり、とても良い経験となりました。特に、海外からの留学生と積極的に交流することをお勧めします。若いうちに様々な国の文化の違いを知ることは、人間性を高めるうえで、とても良い経験になります。当時の先生方からT型人材を目指すようにご指導いただいていましたが、こういったヘテロな環境で生活することで、自然にT型人材になっていきます。どの先生もとても親切で、授業のことはもちろんのこと、人生相談まで親身になって聞いてくださいます。これから入学を目指す方、私は100%お勧めします。在校生の方あるいは卒業間近の方、迷うことがあったら、ぜひ難しい方を選択して、楽しむことを忘れずにチャレンジと努力を続けてください。あなたが高専で身に付けた「高専魂」があれば、想像もしていなかったような未来があなたを待っています。

2004卒(38期生) 浜谷晋輔氏(川崎重工業株式会社)

プロフィール

 浜谷 晋輔氏(はまたに しんすけ)
2004/3 明石工業高等専門学校 機械工学科 卒業
2004/4 明石工業高等専門学校 専攻科 機械・電子システム工学専攻 入学
2006/3 明石工業高等専門学校 専攻科 機械・電子システム工学専攻 修了
2006/4 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻 入学
2008/3 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻 博士前期課程 修了
2008/4 川崎重工業株式会社 入社
(2017年3月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
やはり一番大きかったのは、高専ロボコンの影響ですね。TV放送でロボコンを観て、”学生生活でこんなことができたら楽しそう”と思ったのが、一番最初に高専を志したキッカケです。そして、いざ中学3年生で進路を選ぶ段階になると、自分自身の中で進路選びにおけるいろんな条件を考えました。
・学費の観点から、国公立の学校であること。
・ジッと座って授業を受けるのは苦手なので、実技科目が多いこと。
・学校生活は勉強だけではないので、魅力的な課外活動があること。
これらの条件を満たしていたのが明石高専でした。

■明石高専で一番印象に残ったこと
在学中は様々な課外活動に積極的に取り組んでいたので、それらが非常に印象に残っています。高専を志すきっかけになったNHKロボコンは、製作過程を含めて非常に印象深い思い出なのですが、他にも、学生会の会計担当として部活動への補助金の折衝をしたり、高専祭の実行委員長として祭りの運営に当たったり…まさにジッと座っていられない性格そのものな学生生活だったと思います。

■明石高専で学んだこと
高専の授業で学んだ工学的基礎知識は、その後の進学先・就職先においても非常に役立っていると感じます。残念ながら授業の内容全部を覚えているわけではないのですが、”初めて聞く話”と”昔聞いたことある話”とでは、話の理解度が大きく変わってくるのは言うまでもなく、そういった点で非常に助けられていると感じることがよくあります。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
私自身、機械工学で必要な基礎知識はほとんど高専で学んだため、進学先でも就職先でも周りについていけないと思ったことはありません。(但し、高専の授業についていくのはなかなか大変でしたが…)工学系の道を志す人にとって、高専は非常に良い環境ですので、進路の選択肢の1つに加えて間違いないですよ。
在学生の皆さんには、自分の専門分野だけでなく、工学以外も含めた様々な分野に興味を持って欲しいと思います。新しい物事は、全く別の分野の事柄の組み合わせから生まれることがあります。これが”Innovation”です。裾野の広い知識を身に付けて、世界を変えるような活躍を期待しています。

2007卒(41期生) 北脇朋樹氏(京都大学)

プロフィール

 北脇 朋樹(きたわき ともき)
2002年4月 明石高専機械工学科入学
2007年3月 明石高専機械工学科卒業
2007年4月 三菱自動車工業入社 
 名古屋製作所(岡崎工場)工作部技術課にて車体溶接ラインの保全業務を担当
2011年9月 三菱自動車工業退職
2011年10月 京都大学へ施設系技術職員として入庁
2012年4月 京都大学医学部附属病院へ異動
 附属病院の給排水・空調・医療ガス設備の維持保全、工事監理を担当
2016年4月 京都大学宇治地区事務部へ異動
 宇治キャンパス内の建物維持管理や改修工事を担当
(2019年7月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
 小さい頃から、動くものや回転するもの、特に自動車が好きだったことから、将来は理系の道に進みたいなと思っていました。
 当時、高専は進学先の候補に挙がっていなかったのですが、中学の担任の先生に教えてもらい、その存在を知りました。普通高校と異なり、1年生から専門の授業や工作実習があることや、ロボコンなどの高専ならではの課外活動も非常に魅力的でした。

■明石高専で一番印象に残ったこと
 一番印象に残っているのは、苦く楽しかった5年間の寮生活です。中学卒業後すぐに親元を離れ、上下関係と規則の中で同級生と共に過ごした潮寮は、社会の厳しさを学び、また社会人としての基礎を学んだ場所となりました。5年間を一緒に過ごした寮生とは、卒業後も連絡を取り合う仲になっています。

■明石高専で学んだこと
 それは一つ、モノづくりの楽しさです。ロボコンに参加していたこともあり、毎日寮から作業服で登校し、授業が終われば実習工場に直行する生活を送っておりました。自身で考え、構想を練ったものが形になる楽しさを身近に体験し、学べる環境が整っているのが、高専の良いところだと思います。授業の一環として行う工作実習はもとより、課外活動として行うロボコンやエコラン、高専祭でのクラス展示など、その機会は少なくありません。
 実習工場をフル活用できるのは、機械工学科の学生の特権ですので、ぜひその機会を活かしてもらえたらと思います。母校を訪問する際には必ず立ち寄るほど、私にとって実習工場は思い入れの深い場所です。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
 授業だけでなく課外活動に積極的に参加して、幅広く経験を積んで欲しいと思います。他学科の学生や先輩後輩と混ざって、自身で考え、皆で話し合って、一つの目標に向かってチームで活動する経験は非常に貴重です。技術者というのは、個人の能力も大切ですが、周りと調和する能力やコミュニケーション能力の方がより重要視されます。体育系、文化系問わず、また高専祭実行委員など、たくさんの機会があると思いますので、積極的に挑戦してみてください。その経験は、いつかきっと、必ず役に立ちます。

2009卒(43期生) 佐藤清太郎氏(電源開発株式会社)

プロフィール

佐藤 清太郎(さとう せいたろう)
2009/3 明石工業高等専門学校機械工学科卒業
2009/4 東京大学工学部航空宇宙工学科2年次編入学
2012/3 同卒業
2012/4 東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻入学
2014/3 同修了
2014/4 電源開発株式会社入社
2019/4 Bhimasena Power Indonesia出向
(2019年5月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
 明石高専を受験する時に具体的な仕事を何にしようかまでは決めていませんでしたが、将来は技術を持って理系の仕事がしたいと考えていました。そんな自分にとって、卒業後に技術者として企業へ就職する道と、努力次第で様々な大学の工学部や理学部へ編入し、さらに勉強するという道が選択できる明石高専は、自分の望みに最短で近づける選択肢だと思って選びました。

■明石高専で一番印象に残ったこと
 高専では高学年で様々な分野の研究室から自分で一つを選び所属し、一人、または仲間と共に半年程度をかけて卒業研究として関連するテーマの研究に取り組みます。私はその卒業研究が一番印象に残っています。研究の計画は先生と話し合いながら自分達で決め、研究に必要なものは自分で図面を書いて校内の工場で製作を行い、自分で実験を行い、改善を行いながらデータを取得して分析します。卒業研究以前にも様々な実験を行い、その結果を分析してレポートを書くというトレーニングは行いますが、卒業研究では一つのテーマに対して継続的に取り組むので思い入れも強くなりました。

■明石高専で学んだこと
 普通科の学校に通った訳ではないので詳しいことまで知ってはいませんが、普通科では物理はどちらかというと公式を覚える傾向が強いと聞きました。一方で高専は入学後最初に集中的に数学を学び、その後、数学を武器に物理の問題を解くことを学びます。公式を覚える訳ではないので、すぐに答えは出ませんが、どんな物理現象でも相手にものを考える力が付きます。
また、工学の各分野に関しては、明石高専で基礎を横断的に、かつ高いレベルで学べたと思っています。私は高専卒業後に大学に編入しましたが、高専の5年間で基礎を作ることができていたので、大学での勉強もスムーズに進めることができたように思います。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
入学希望の方へ
 私もその一人なのですが、高専や大学、大学院に通う時期は多くの人や情報に接し、考えや興味が変わり、今あなたがやりたいことと将来の仕事が変わることは多くある思います。ただ、理系や文系などの大枠では変わることは少ないかと思います。理系として生きていくのであれば、明石高専で学べることや、明石高専を卒業した後の選択肢は素晴らしいものだと思います。ぜひオープンキャンパスで自分の目で見て、聞いて、考えてみて下さい。

2011卒(45期生) 東俊彦氏(三菱重工業株式会社)

プロフィール

東 俊彦(あずま としひこ)
2011/3 明石工業高等専門学校 機械工学科 卒業
2011/4 東京大学工学部 航空宇宙工学科 編入学
2014/3 東京大学工学部 航空宇宙工学科 卒業
2014/4 東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程 入学
2016/3 東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専 修士課程 修了
2016/4 三菱重工業株式会社 入社
(2019年5月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
 小さいころからお菓子の箱で工作したりしていて,なんとなくモノづくりが好きだったからでしょうか.また父が高専出身だったこともあり,多くの同級生は高専ってなに?といった中,選択肢のひとつになっていました.最終的には地元の公立と迷っていましたが,みんなと一緒というのはつまらないなと思って明石高専に進学したと記憶しています.

■明石高専で一番印象に残ったこと
 1番は寮生活ですね.5年間ともに過ごした同級生とは今も当時の話で盛り上がります.5年生のときには全寮寮長もさせていただき,私たちの代で最初に始めた寮生運動会がまだ続いているようで,嬉しいですね.先輩や同級生に勉強を教えてもらったり,一緒に鍋パーティーしたり,テレビの部屋に集まってW杯をみたり,楽しかったです.あとは自由な校風で自分たちで決められることが多かったと思います.クラスでいくバス旅行や修学旅行などの行き先を自分たちで決めて,計画できたのが楽しかったです.

■明石高専で学んだこと
 四力(材料力学,流体力学,熱力学,機械力学)の基礎は高専の授業で身についていたと思います.高専では1年生のころから専門教科を学び始めて5年間使いますので,その分しっかり身についたのかなと.大学は講義のスピードがものすごく速い.自分は高専で身につけていた基礎知識がなければついていけなかったかもしれません.また就職してから感じるのは工場実習で手を動かして加工した経験が活きることがあります.実際に機械で加工することはほぼありませんが,図面を書いたり,それを元に加工メーカーと打ち合わせすることがあります.その際に「ここは加工できるか」「加工方法はどうするか」「公差は十分か」といった点でもしっかり話ができるのは,高専のおかげかなと思います.

■入学希望者や在校生へのメッセージ
 高専に興味を持たれている方は,多少なりともモノづくりに興味があると思います.個人的に感じるのは,「将来は工学系に進みたい」「モノづくりに携わりたい」「早くから技術的な勉強がしたい」と考える人には,高専は間違いなくいい環境でしょう.最近は流体も構造も解析技術が発達していて,解析すれば大体わかるような時代になってきました.しかし手計算で大体のオーダーを検討したり,概算で問題ないことを確認する作業も必要で,それはしっかり基礎が理解できて,使いこなせてこそできることだと思います.明石高専の学生には早くから技術にふれ,工学的センスを磨いてもらうことを期待します.そして様々な分野から日本の技術力向上に貢献してください.

2011卒(45期生) 西尾勇佑氏(川崎重工業株式会社)

プロフィール

西尾 勇佑(にしお ゆうすけ)
2011年3月 明石工業高等専門学校 機械工学科卒業
2011年4月 東京工業大学 工学部 機械宇宙学科 3年次編入学
2013年3月 東京工業大学 工学部 機械宇宙学科 卒業
2013年4月 東京工業大学大学院 理工学研究科 機械物理工学専攻 入学
2013年10月~2014年9月 ドイツ ミュンヘン工科大学 機械工学科に交換留学
2016年3月 東京工業大学大学院 理工学研究科 機械物理工学専攻 博士前期課程修了
2016年4月 川崎重工業株式会社 入社
(2019年5月 掲載)

インタビュー

 

■明石高専を選んだ理由
 小~中学時代は数学、理科が得意というよりかは、技術・家庭科、美術、図工のような手を動かしてモノを作る教科が好きだった記憶があります。中学卒業後の進路を考え始めた際、早くから専門科目を学べる高専という選択肢もあることを知りました。当初から大学への進学は視野にいれていたので、大学への進学率の高いことも魅力の1つであったかと思います。また、オープンキャンパスに赴き、実際に肌で感じた自由な校風から、普通高校では得られない経験ができそうな気がしたことが決め手でした。

■明石高専で一番印象に残ったこと
 在学中は陸上競技部に所属し、編入試験1週間前の高専大会にまで出場するほど明け暮れていました。毎日の練習メニューは自分達で考え、納得のいく結果が出ない原因を分析し、目標に向かって実行するというスタイルの部活動は、自主性を養う非常に良い機会であったと感じています。
 普通の高校生活は3年間ですが、5年間同じクラスで勉学や行事を共にでき、濃い学生生活でした。特に球技大会やサッカー大会、高専祭などのイベントは盛り上がりました。1年目の球技大会はまだ日が浅いことからチームプレーからは程遠く、ボロ負けしたので2日目は仲間内だけで球技大会(ボウリング)をしたのも良い思い出です(笑) 一方、定期試験前や編入試験前、卒論時期は遅くまで残り、メリハリのある生活だったと思います。卒業してから10年以上経った今でも定期的に集まり、仲良くしています。

■明石高専で学んだこと
 機械工学エンジニアとしての土台を築く上で、これ以上の環境はないのでは?と思います。不得意分野は当然ありましたが、大学編入後に専門科目でどうしようもなく困ったことはほとんどなかったはずです。現在、機械メーカの研究開発職として勤務してまだ3年と少しですが、ふとしたときに「あ、これ高専でやったな~」と思い出すこともあり、使える技術として学んだことが身についていると実感します。

■入学希望者や在校生へのメッセージ
 「教えてもらう」のではなく、「自ら学ぶ」という姿勢は、社会に出てから非常に大切です。その基礎が明石高専での生活ではしっかり学べるはずです。加えて、興味のあること、面白いと感じることに対して正直に、幅広く、多くのことにチャレンジしてください。