都市システム工学科

卒業生の紹介

2018卒(52期生)川原知也氏 (中央復建コンサルタンツ株式会社)

プロフィール

川原 知也(かわはら ともや)
2018年 明石工業高等専門学校 都市システム工学科 卒業
2020年 明石工業高等専門学校専攻科 建築・都市システム工学専攻 修了
2020年 中央復建コンサルタンツ株式会社 入社
2023年現在 同社 環境・防災系部門 地盤・防災グループに所属
 
【左写真:令和5年 建設コンサルタンツ協会 近畿支部 野球大会優勝】
 

インタビュー

■現在の仕事について
総合コンサルタントである中央復建では、都市計画・道路・鉄道・河川・環境・地盤等、幅広い分野で調査・計画・設計・施工管理・維持管理の業務を担っています。
その中でも私は、落石や土石流、地すべり等から道路や家屋を守るための調査や設計等を行っています。
災害が発生した際は、いち早く現場に出動し、災害要因や対策方針について協議することもあります。入社後、数多くの災害現場を経験しましたが、現場によって災害のメカニズムや必要な対策が様々で正直分からないことの方が多いです。しかし、以前検討した内容を組み合わせることで、解決の糸口が見つかることもあります。また、社内外の関係者と検討した結果、より良い提案に結びついたときは非常にやりがいを感じます。
災害は事前に防ぐことが重要なため、大雨時に事前に道路交通を止める基準や防災対策の優先度について検討も行っています。

【写真左:切土崩壊による道路災害(全面通行止め)、写真右:盛土崩壊による道路災害(片側通行止め)=いずれも災害直後に現地に赴き、復旧設計を担当した箇所です。】

 
■高専を選んだ理由
私は神戸市出身で、幼い頃から阪神淡路大震災の悲惨さを両親から聞いてきました。そして、いつの間にか「日本を災害に強い国にしたいなぁ」とぼんやり思い浮かべていました。私の思いを知った中学校の先生が勧めてくれたことから高専を知り、学校説明会で活き活きとした先輩方の姿をみて明石高専を選びました。
 
■高専で学んだこと
総合力の重要性を学びました。地盤工学を学ぶにしても水理学等の知識も必要で、英語が理解できないと解けない課題もあります。さらに、学んだことを人に伝えるためには、プレゼンテーション能力も必要です。
全ての分野が繋がっており、幅広く知識をつけることが重要だと学びました。これは今の仕事でも言えることだと思っています。
 
■在学中の思い出
平松さんも書かれていますが、私も野球部の活動です。朝から晩まで先輩、同級生、後輩と過ごした時間はかけがえのないもので、卒業して5年経った今でも思い出します。上手くいったときの思い出よりも、チームメイトと一緒に悩んで話し合っているときの方が良く覚えています。高校生では中々できない経験だったと思います。また、監督の後藤先生から優しくも厳しいご指導をいただいた経験も私にとって財産です。
 
■現在の高専生にひとこと
様々な方と交流していただきたいと思います。高専は5年間ありますが、限られた人とだけ交流していては、皆さんの幅が狭まってしまうと思います。明石高専では、海外研修や地域活動等、高専外の人と交流する機会を作ってもらえます。積極的に参加していただき、自分がしたいことを見つけてほしいと思います。
また、明石高専の先生方は本当に頼りになります。私が就職先を悩んでいたときは多くの先生方に相談に乗っていただき、今の会社に就職することに決めました。高専は先生と学生の距離が近いところも利点だと思うので、積極的に相談していただければ、より良い結果になると思います。
 

2018卒 (52期生) 森重瑞希氏(関西電力株式会社)

プロフィール

  森重 瑞希 (もりしげ みずき)
2018年 明石工業高等専門学校 都市システム工学科卒業
2018年 関西電力株式会社に入社
2022年現在 再生可能エネルギー事業本部
        水力エンジニアリングセンター 制御通信グループ

インタビュー

■現在の仕事について
関西電力は原子力・火力・再生可能エネルギー(水力・風力等)を電源とする発電所を近畿から東海・北陸にかけて広く保有しており、再生可能エネルギーのうち水力発電においては、発電を目的とした50近い利水ダムの維持・運用を行っています。
初期勤務地は今渡水力センター(岐阜県可児市)に配属され、工事設計・管理やダム運用を担当していました。ダム運用では、河川増水時に川の水を安全に流下させるダム操作を行うだけでなく、ダム操作に関係する官公庁などとの協議、それに伴うルール制定や見直しなどを行います。稀な業務ではありますが、官民が一体となって水系全体の水害対策に取り組む治水協力や特定多目的ダムとなったダムの国への移管等も経験することができ、入社して4年でさまざまな業務に携わることが出来ました。
【写真は国土交通省移管前に丸山ダム直下流で撮影しました。関西電力初代社長:太田垣士郎の書「動中静」は、ダム本体から水車発電機をへて、放水口に出る水の流れ・設備・機械の状況を端的に表しています。】


現在は水力エンジニアリングセンター(本店:大阪市内)でダム運用のシステム化検討を行っています。今は人の判断によって行われているダム操作ですが、IT技術を活用し、ダムのゲート開閉操作や各種周辺機器の監視を自動化し、人の判断や操作が最小限となるシステムの開発を目標としています。土木技術だけでなく、情報・通信技術をはじめとした幅広い知識が必要となるため、苦心することもありますが、やりがいのある仕事です。
 
■高専を選んだ理由
高専の存在は中学生の時に母から聞いて知りました。どのような学校か分かりませんでしたが、実験・実習が多いと聞き、小・中学校から理科の実験が好きだったので高専に興味を持ちました。コンクリート講座のオープンキャンパスに参加してみたところ、液体のセメントが硬化するのが面白く、「もっと色々な実験をやりたい!」と思い受験を決めました。
 
■高専で学んだこと
高専では、普通科目に加えて1年生から土木の専門科目を学ぶことができ、そこが最大の利点ですが、私が一番実感しているのは「文章を書く力」です。社会人になり、会議・打合せ議事録や報告書を書く機会が多いですが、卒業研究はもちろんのことレポートもしっかり書いてきたため、自然と手が動き、業務を円滑に進められていると感じます。
また、現場見学研修や外部講師の授業があり、社会人として働かれている方と接する機会が多く、自分が働く将来をイメージしやすいと感じました。自分が何をしたいか進路に迷った時に、「こういうふうに働きたい」とイメージが持てるだけで、これからの見通しを立てやすいと思います。
 
■在学中の思い出
高校とは異なり、時間割によっては授業の空き時間があるため、友達と近くのマックでお昼ご飯を食べておしゃべりしたり、コンビニでお菓子を買ってきてみんなで食べたりするのが好きでした。
また、部活動では卓球部に所属しており、他学科の先輩・友達とも切磋琢磨していました。クラス替えがないため、なかなか他学科の学生と接する機会が少ないですが、部活動を通して出来た人間関係もとても大事です。
5年間の学生生活をともにした友達の存在は、社会人になった今でも大きいと感じます。
 
■現在の高専生に一言
長く感じる5年間ですが、卒業してみるとあっという間でした。「もっと勉強しておけばよかった」、「もっと遊んでおけばよかった」と思うこともあり、私自身、「一寸の光陰軽んずべからず(僅かな時間も無駄にしないこと)」を念頭に置くようにしています。今のうちに、やりたいこと・やれることは後悔なく打ち込んでほしいです。特に友達との時間や自分が興味を持てることに費やす時間を大事にしていただきたいと思います。

2016卒 (50期生) 平松直人氏(株式会社ブリッジ・エンジニアリング)

 平松 直人(ひらまつ なおと)
1995年 兵庫県神戸市生まれ
2016年 明石工業高等専門学校 都市システム工学科卒
2016年 株式会社ブリッジ・エンジニアリングに入社
    (岡山支店 児島保全センター)
2021年 本州四国連絡高速道路株式会社に出向
    (長大橋・技術部 技術革新・アセットマネジメントグループ)
2022年 現在に至る

インタビュー

■現在の仕事について
私が入社した株式会社ブリッジ・エンジニアリングは、JB本四高速(本州四国連絡高速道路株式会社)のグループ会社として、同社が行う本州四国連絡橋3路線の道路施設の保全業務(点検、維持補修、調査検討・技術開発)の実務を担っています。
入社してから5年間は、瀬戸大橋の維持補修(塗替塗装)の現場担当者として、塗装の品質や施工管理を行いました。本州四国連絡橋など長大橋の多くは、鋼鉄製の構造物であり、維持管理していく上で「錆び」は大変な脅威です。特に、本州四国連絡橋は、潮風の吹く海峡部に建設されている為「錆び」から橋を守る塗装はとても重要な役割を果たしています。まさに塗装は橋の耐用年数に直結する重要な仕事ですので、とてもやりがいを感じて仕事を行っていました。
2022年現在は、現場から少し離れJB本四高速に出向し、⻑大橋維持管理のロボット化、最新のICT技術やデジタル技術を活用したアセットマネジメントの⾼度化に向けた業務に取り組んでいます。
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■高専を選んだ理由
就職率100%で希望すれば確実に就職できるということが高専を選んだ一番大きな理由です。また、若いうちから専門的な勉強ができ、実習の時間も充実しているので実務的な教育が受けられることも大きかったです。ただ、特に土木に関する仕事がしたいから高専を選んだというわけではありませんでした。
 
■高専で学んだこと
高専では数学や物理などの一般科目や土木に関する専門科目を学びましたが、当時私は特に勉強ができたわけではなく、今は学んだことも忘れていることが多いです。そのため、現在も業務上必要な知識の習得や資格を取得するために勉強していますが、高専時代に学んだことを思い出すところから行っています。
 
■在学中の思い出
クラブ活動(野球部)していたことです。大会では、初戦敗退するなど決して強いチームではなかったですが、一生懸命やっていたのですごく楽しかったです。また、実習のレポートを毎週提出しないといけないので、ずっとレポートに追われていたような記憶があります。

■現在の高専生に一言
私は高専を卒業してすぐに就職することを選びましたが,私が思うに高専卒の方は優秀な人が多いと思います。大学等に編入する人、就職する人など色々いるかと思いますが、どの道を選択しても問題なく進めると思います。ぜひ高専在学中はいろんなことにチャレンジして様々な経験を積み、学生生活を楽しんで過ごしてください。
また、高専を卒業して就職を希望している方、大学に編入後就職する方の中で、インフラを保全する仕事につきたい方、長大橋に興味をお持ちの方はぜひ、私にご一報いただければ、長大橋などの現場を含めて、会社案内をさせていただきますので、お気軽にお声を掛けてください。

1999卒(33期生)佐山敬洋氏(京都大学防災研究所)

プロフィール

  佐山 敬洋 (さやま たかひろ)
1999年 明石工業高等専門学校都市システム工学科卒業
2001年 京都大学工学部地球工学科土木工学コース卒業
2003年 京都大学大学院工学研究科修士課程土木工学専攻修了
2005年 京都大学防災研究所 社会防災研究部門
             防災技術政策研究分野 助手、助教
2007年 京都大学博士(工学)
2007年 オレゴン州立大学客員研究員
             (JSPS海外特別研究員)(2009年まで)
2009年 土木研究所水災害リスクマネジメント国際センター
             研究員、主任研究員
2015年 京都大学防災研究所 社会防災研究部門
              防災技術政策研究分野 准教授
2021年現在に至る
 

インタビュー

 ■現在の仕事について
京都大学防災研究所で、洪水災害の研究をしています。また、学部や大学院で「水文学(すいもんがく)」の講義を担当しています。
いま力を入れている研究は、日本全国すべての河川を対象にした洪水予測モデルの開発です。研究室の仲間とシミュレーションモデルを作り上げ、まだ世に出ていない試作版の結果をリアルタイムで監視しています。予測がうまくいくとき、いかないとき、色々とありますが、その原因を調べ、地形・土壌・地質など、様々な自然環境と照らし合わせ、より現実的なシミュレーションモデルを構築することが私たちの研究テーマです。
これまで開発を進めてきた洪水予測モデルは、兵庫県や京都府の次世代型モデルとして実用化のプロジェクトが進んでいます。私自身が在住した二つの府県で、自ら開発した洪水予測モデルが実用化されることは研究者としては望外の喜びです。
その他、留学生の人たちと一緒に、アジア諸国の水災害・気候変動の研究も進めています。留学生に現地を案内してもらいながら、河川流域を調査し、その地域の水循環や水災害について議論することは、最も楽しい研究活動の一つです。
 ■高専を選んだ理由
高専に入学すれば、5年間落ち着いて勉強が出来そうという期待を持っていました。就職するにせよ進学するにせよ、民間会社、公務員、大学編入など、さまざまな進路の可能性があり、これは大きな魅力だと思います。
 
■高専で学んだこと
2年生、3年生になると、いわゆる専門科目の講義が始まります。大学でも同じように専門科目を学びますが、いま振り返ってみると、高専では、「技術を身に付ける」学びが重視されていたように思います。私より先輩や同世代の皆さんは、高端宏直先生に構造力学を学んだ世代です。構造の図が黒板に描かれたときに、力のかかり方をさっと答えられるかどうかを随分とトレーニングされた記憶があります。先生方が教えたかったことは、細かい計算だけではなく、「技術者としてのセンス」だったと思います。高専のカリキュラムでは、実験、演習、卒研も重視されています。そこで学ぶレポートの書き方やプログラミングは、私が研究を進めるうえでも大切な基礎になっていると感じています。
 
■在学中の思い出
私たちは「都市システム」の第一期生で、いろんなことに「熱く」なれる、よいクラスでした。学科対抗の綱引きなど、まさに異様な盛り上がりとなり、他の学科を圧倒しました(当時の建築学科のみなさん、そもそも集まった人数も違うのに、内輪で盛り上がってゴメンなさい)。結局のところ、土木の仕事は一人で成し遂げられないので、仲間との協働が大切です。知らず知らずのうちに、そうしたことも教わっていたのだと思います。
 
■現在の高専生に一言
約40人の仲間と5年間も一緒に過ごす時間は、かけがえのないものです。ぜひ高専生らしい、濃密な時間を大切にして下さい。他方、少し外に目を向ければ、「おもしろいこと」、「おもしろいひと」、「すてきな自然」など、魅力的な物事は世の中にたくさんあります。旅に出てみるなど、少し視野を広げるような経験も積極的にして下さい。
 

2014卒(48期生)神田沙英氏(関西エアポート株式会社)

プロフィール

   神田 沙英(かんだ さえ)
2014年 明石工業高等専門学校 都市システム工学科卒業
2016年 明石工業高等専門学校専攻科 建築・都市システム工学専攻修了
2018年 大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻修了
2018年 関西エアポート株式会社入社
2020年 関西エアポート神戸株式会社出向
2021年現在 神戸運用部 施設・設備グループ
 

インタビュー

 ■現在の仕事について
関西にある3空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)を運営している会社の土木技術職員として働いています。空港には、滑走路、誘導路、駐機場、護岸、駐車場、構内道路といった様々な土木施設がありますが、土木技術職員はこれら施設の計画、設計、工事、その後の維持管理に携わっています。入社1年目に台風21号により関西国際空港が浸水、甚大な被害を経験したことを受け、社内で浸水対策プロジェクトが発足しました。私は入社後2年間、このプロジェクトのハード対策である、空港施設の嵩上げ工事や防護壁の設計業務を担当していました。入社3年目~現在は、神戸空港で土木施設の維持管理業務を担当しています。
神戸空港の滑走路です。天気が良ければ明石海峡大橋が見えます。


■高専を選んだ理由
中学生の時、”公務員”という響きがカッコいいと思い両親に相談したところ「公務員になりたいなら高専に行けば?」と勧められたことがきっかけです。結果的に公務員にはなっていませんが…空港という特殊な”まち”で仕事をしているという意味では夢が叶ったのかなと思います。
 
■高専で学んだこと
勉強面でいうと、1年生から数学や物理といった普通教科に加え、土木の専門教科も同時に授業が進みます。また卒業論文も大学でいう2年生で書くことになるので、大学に入ってから土木を学ぶ学生さんと比べると断然早く専門知識を習得できると思います。また、海外で活躍する技術者を育てるための英語学習の制度も充実していると思います。私自身もニュージーランドとアメリカへの短期留学プログラムに参加したことで、自分の興味や視野をより広げられたと思います。

■在学中の思い出
専攻科も含めて7年間通ったので、思い出はたくさんありすぎで書ききれませんが…体育大会でクラスTシャツを作って出場したり、高専祭の打ち上げでみんなで焼肉行ったり、実験の授業の時ふざけすぎで先生に怒られたり、卒業論文の提出期限がギリギリで廊下ダッシュしたり…と、勉強は大変でしたが、楽しい思い出の方がはるかに多いです。今でもクラスメイトとは定期的に会っています。学生時代の思い出話はもちろん、仕事の相談もできる友達がいることは、社会人になってより一層恵まれているなと思います。
 
■現在の高専生にひとこと
学生時代に色々なバックグランドを持った人たちと良い関係を築いて頂ければと思います。会社では土木技術職員として働いていますが、土木に限らず機械、電気、建築の技術職員の方たちと仕事をすることも少なくないです。高専には早い段階から、色々な専門を学ぶ学生さんたちと知り合うことができる環境があると思います。クラスメイトだけでなく、ぜひ横の繋がりも意識して学生生活を送ってほしいなと思います。

2019卒(53期生)松本未来氏(阪神水道企業団)

プロフィール

   松本 未来(まつもと みらい)
1998年 兵庫県神戸市生まれ
2019年 明石工業高等専門学校都市システム工学科 卒業
2019年 阪神水道企業団に入庁 (土木職)
2021年現在 技術部工務課 施設整備係

インタビュー

 ■現在の仕事について
神戸市・芦屋市・西宮市・宝塚市・尼崎市へ浄水を供給する阪神水道企業団という水道専門の地方公共団体に所属しています。
当企業団での土木職員の業務は、主に水道管の更新と水道施設の改修の2つに分かれています。私は、そのうち水道施設の改修や整備がメインの業務に携わっています。
現在取り組んでいる業務は、浄水場や水質試験所の大幅な改修の設計・工事監督から執務室のカーペット張り替え、雨漏り補修に至るまでまさに千差万別・多種多様です。
しかし、どのような業務でも、市民の皆様に安全な水を送り届けられるように、そして維持管理がしやすく誰もが使いやすい施設づくりを行うための重要な仕事です。常に最善の結果を得られるように、一人の土木技術者として日々業務に取り組んでいます。
 
■高専を選んだ理由
もともと近親者に高専に入学した人がいて、高専とはどのような場所かを知る機会に恵まれていたことが大きな要因のひとつでした。加えて、子供のころから漠然と『まちづくりがしたい』という思いや、いずれ一人で社会に出なければいけないのだから早いうちから知り合いの少ない環境に身を置きたいとの考えもあり、高専入学を決断しました。
 
■高専で学んだこと
土木の基礎知識を一通り学びました。とはいえ、私は地頭も良くなかったので、知識が定着していたかというと……なんとも言い難いところではあります。毎回の試験ではどうにか留年しないようにという一心だったことをよく覚えています。
そんな中でも、研究発表や課外活動を通じて前に立って発表すること、特にスライドをはじめとする発表の流れを構成する力は在学中の5年間で大きくレベルアップできたと思っています。
学生のうちにわずかでも勉強する習慣、本を読む体力を身につけていれば社会人になっても苦労しないと思います。
 
■在学中の思い出
とにかく勉強ができなかったので、自分の居場所を求めて様々な課外活動に取り組んでいました。ソフトテニス部、合唱部、高専祭実行委員会などに所属し、自分にできることをひとつでも見つけようとひたすらもがいていた記憶があります。
高専時代の友人達とは卒業後に散り散りになってしまいましたが、今でも連絡を取り合っています。学生の時と同じ話ができる友達がいるというのは、すごく心強い支えになりますよ。
 
■現在の高専生に一言
なにより大切なのが生活習慣です。学生時代は課題の量もあって極端な夜型生活になりがちですが、就職するとこれがすごく重荷になるので、長期休暇などを利用して生活リズムを整えられるようにしておくと社会人になっても楽になると思います。
あと、コミュニケーション能力を少しでも培っておいた方がいいと思います。仕事上のミスを助けてもらえる蜘蛛の糸を垂らしてくれる人が1人でも多い方が生きていきやすいです。特別仲良くなる必要はないですが、時候の挨拶くらいができる関係の人がたくさんいるとかなり動きやすくなりますよ。
人生は自分が思うよりもずいぶんと長いようなので、無理のない範囲で一歩ずつ成長していけば、もうそれで十分じゃないかな、と思います。
 

2013卒(47期生)高田優氏(明石市役所)

プロフィール

  高田 優(たかた まさる)
1993年 兵庫県神戸市生まれ
2013年 明石工業高等専門学校都市システム工学科卒業
2015年 明石工業高等専門学校専攻科建築・都市システム工学専攻修了
2017年 大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻修了
2017年 明石市役所 入庁(事務職)
2019年現在 市民生活局 環境室 収集事業課

インタビュー

 

■現在の仕事について
私は現在、明石市内約4500か所あるごみステーションのごみ収集に携わっています。ごみを出すことは市民全ての人に関係することなので、その収集業務に携われていることにやりがいを感じております。基本業務としては収集作業員からその日にあった分別がなされていないごみ袋などの報告を受け、自治会と協力し、ごみの分別方法を皆さんに再確認してもらう業務を行っております。
去年から宅地造成などで設置される新しいごみステーションについて担当することとなり、業者の方とお話をする中で、土木を学んだ経験が活かせられているのかもしれません。

 ■高専を選んだ理由

高専の存在を知ったのは高専出身だった父の影響ですね。当時は同い年より少しでも背伸びをしたがっていましたので大学のような高等教育を早い段階で受けられる高専が格好良く思っていました。なかでも土木を学ぶことは人命を守ることに繋がると思い、どうせ一生懸命勉強するならと思ったのも選んだ理由の一つです。

■高専で学んだこと
私はお世辞にも在学中の成績がよかったとは言えず、毎日授業についていくのにやっとでした。今となって振り返るとデザインコンテスト(橋梁部門)やインターンシップ制度、海外研修制度、学会発表などさまざまな成長の機会をいただいていたんだなと思います。
高専では4年から研究に携わり、5年(大学2年相当)で卒業論文を1回、専攻科卒業時にも卒業論文を書く機会があることから物事を熟考する力は鍛えられるのではと思います。

■在学中の思い出
留年がただただ怖かったですね。年間の試験回数が少ないため一度の失敗が及ぼす影響がとても大きく、5年生になるまで常にピリピリしていた覚えがあります。日頃から真面目にコツコツと勉強し、解らないところは友達や先生に聞くことを早い段階からしていればもっと余裕ある学生生活が送れていたと思います。
高専時代の友達は一生の友達とも言えますね。過ごした時間が長いせいか高専時代の友達とはお互いに理解し合い、今でも当時と変わらずくだらない話をして盛り上がることがあります。様々な方面で活躍する友達の話を耳にすると、他の世界を知ることができますし、自分も負けていられないなと刺激にもなります。今後もこの関係は大切にしたいと思います。

■現在の高専生に一言
私は若いエンジニア輩出を目的とする高専からは反した卒業例なのかもしれませんが自分のような選択肢もあるということを知ってもらえたらと思います。
当時は土木の就職先としてゼネコン・コンサル・公務員(技術職)の3つを基本とした道しか選択肢はないものだと考えていました。しかし、専攻科から大学院へ進学した際に様々な分野の道を知ることができ、自分の視野の狭さを痛感しました。長い高専時代はついつい目の前の試験のことでいっぱいで視野が狭くなりがちだと思います。しかし、多様化が求められている時代の中、高専生も他人事ではないと思います。社会に出たあとの活躍の仕方は本当に様々ですので、今一度自分のやりたいことを見直してみてもよいかもしれません。各方面から高専出身者の活躍を期待しておりますし、自分もその一人になれるように引き続き頑張っていきます。

2010卒(44期生)泉佳甫氏(西脇市役所)

プロフィール

  泉 佳甫(いずみ・かほ)
1989  兵庫県明石市生まれ
2010  明石工業高等専門学校 都市システム工学科卒業
2012  明石工業高等専門学校専攻科 建築・都市システム工学専攻修了
2012  西脇市役所に入庁
2019現在 西脇市役所都市経営部次世代創生課リンク/西脇市役所:
http://www.city.nishiwaki.lg.jp/

インタビュー

 

■現在の仕事について
地方自治体の土木職として西脇市役所に努めています。
自治体での仕事は、まちにあるもの全てが対象ですので、とても幅広い分野の仕事に携わることができます。
私は、2012年に入庁してから、主に「公園」に関することと、「都市計画」に関することを行ってきました。
現在は、技術部門を一歩離れ、主に「地方創生」を担当しています。

≪これまでの仕事の一部をご紹介≫

 入庁1年目に、オートキャンプ場のリニューアル事業に携わりました。建築職として入庁した同期職員とともに、ロッジやコテージ、バーベキューサイトの改修工事を実施したほか、ホームページやパンフレットの作成、予約管理システムの構築など、リニューアルオープンに向けて様々なことを経験することができました。

リンク/西脇市日本のへそ日時計の丘公園オートキャンプ場:
http://www.nishiwaki-hidokei.jp/

 入庁3、4年目には、新たな拠点施設の整備事業に携わりました。施設には、図書館や児童館機能が入っており、私はその周辺の広場や駐車場等の工事を担当しました。大きな工事が初めてだったことと、広場等の整備においては、植物や遊具、照明、園路など、土木分野の様々な工種が混ざっており、とても苦労しました。オープン以降、年間50万人が集う施設となっており、とても嬉しく思っています。


リンク/茜が丘複合施設「Miraie(みらいえ)」:
http://www.city.nishiwaki.lg.jp/miraie/

■高専を選んだ理由

阪神淡路大震災で祖父母の家が全壊したため、幼い頃から漠然と「防災」に興味を持っていました。

中学生になり、今後の進路を考えていたとき、偶然掲示されていた高専の学校見学のチラシを見て、「おもしろそう」と思ったことで決めました。

■高専で学んだこと

土木全般の基礎知識はもちろんですが、一番力になったのは、資料をまとめる力とプレゼンテーションの力です。在学中のたくさんのレポートは、参考書を調べる習慣やレポートとしてのまとめ方、論理立てて整理する力をつけてくれたと思います。

また、高専5年生から専攻科までの計3年間で、たくさんの学会等に出席させていただき、プレゼンテーションをつくるところから発表するところまで、多くの機会を得られたことが、今の業務にも非常に生きており、力になったと感じます。

■在学中の思い出

専攻科卒業までの7年にわたり、明石高専でお世話になりました。4年生の夏まではバドミントン部で楽しい仲間と巡り合えたこと、4年生の後期からは神田先生の研究室でお世話になったことが印象に残っています。

■現在の高専生に一言

高専は15歳から幅広い年代の方と関わります。社会人になると、もっと広い範囲の人と関わることになります。このタテのつながりを早い段階で経験できることは、今後のチカラになると思います。学校の中でも外でも、カリキュラムにとらわれず、ぜひ、色々なことにチャレンジし、様々な経験をしてほしいと思います。私も学生時代はピンときませんでしたが、今になって「学生時代は今しかない」といった言葉が身に沁みます。

また、社会に出た先輩の話を聞く機会があれば、積極的に聞いてみるといいと思います!私も近くにいますので、自治体の仕事に興味があれば、お気軽にご相談ください!

2009卒(43期生)大白星来氏              (キャタピラージャパン合同会社)

プロフィール

  大白星来(たいはく・せいら)
1988  兵庫県神戸市生まれ
2009  明石工業高等専門学校 都市システム工学科卒業
2011  神戸大学 農学部 食料生産環境工学科卒業
2011  キャタピラージャパン株式会社に入社
(現在キャタピラージャパン合同会社)
2019現在 キャタピラージャパン合同会社
油圧ショベル開発センター 車両計画部 大型機計画課
リンク/キャタピラージャパン合同会社:
https://www.cat.com/ja_JP.html

インタビュー

 

■現在の仕事について
街中を見渡してみると、道路工事やビル工事などいろいろなところで建設機械を見つけられると思います。
そのなかに、「CAT」と書かれた建設機械はありませんか?

私は建設機械メーカ、キャタピラーで働いています。
明石にある油圧ショベル開発センター/明石事業所では、世界中で稼働する油圧ショベルの開発・製造を行っています
2011年に入社して丸8年が経とうとしています。入社してすぐはマーケティング部門で建設機械を「購入する側」 に立った業務を行い、現在は開発部門で「作る側」に立って仕事をしています。現在の主な業務は、新機種の開発時にVRを用いて建設機械の外観や製造性の確認などをしています。

 ■高専を選んだ理由

中学2年生の頃から、電子機器のエンジニアだった父の影響を受け 、「理系に進みたい。せっかく理系に進むなら、高校からがっつり理系なところにしよう!」と考えていました。偶然別の高専に通う方と出会い、その方から聞く高専の話がとても面白く魅力的に感じたため受験を決意しました。

■高専で学んだこと
私に一番影響を与えてくれた授業は施工管理学です。この授業の中で建設機械にはたくさんの種類があることを知り、「将来は建設機械に関わる仕事がしたい」と思うきっかけとなりました。
また、授業だけでなく先生方の言葉も印象に残っています。その中の一つに、「君たちの時代は世界一のものを作るだけでなく、老朽化したときにどう壊すかを考える時代だ。」という言葉があります。建設機械は街を作るための道具であると共に、壊す道具でもあります。そこには、より安全で周辺環境への負荷が少ない機械が求められており、IoT/ICTやオートメーション技術を活用した今までにない建設機械が開発されています。未来の世界にどう貢献できるのか、今も考え続けています。

■在学中の思い出
私は小学校・中学校と女子校に通っていました。高専は女の子が少ないと聞いていたので、かなり覚悟を決めて入学しました。しかし、入学後にはとても大きなカルチャーショックを受けました。小ネタはいろいろとあり、今となっては全て笑い話ですが、高専5年間で私は相当逞しくなったと思います。会社に入ってからも、「男性ばかりの職場で大変じゃない?」と聞かれますが、答えは「全然平気です(高専に比べれば)」です。

■現在の高専生に一言
「土木から機械メーカに就職した」と言うと「学んだことと違うことをしているんだね」と言われることがありますが、全くそんなことはありません。入社して初めの3年間は砕石場で測量をしていましたし、フレームの設計では構造力学の知識を使い、今のVR業務では写真測量の立体視 のスキルや、橋・ダムを見て美しいなと感じた感覚が生きています。「土木を学んだから」、「この研究をしたから」と自ら進路を狭めることなく、世の中にはたくさんの仕事があることを知って欲しいと思います。きっとどこかで高専での経験と繋がっているはずです。
キャタピラーは明石高専から徒歩20分のところにありますので、工場見学・VR体験・進路相談などお気軽にご相談ください。

1988卒(22期生)八木敏博氏(オリエンタル白石株式会社)

プロフィール

  八木敏博(やぎ・としひろ)
1967 兵庫県揖保郡太子町生まれ
1988 国立明石工業高等専門学校 土木工学科卒業
1988 株式會社白石に入社
2007 オリエンタル白石株式会社(オリエンタル建設と合併)
2018現在
          オリエンタル白石計株式会社 大阪支店 技術部 技術チーム 担当副部長
主な資格:技術士(建設部門)、コンクリート診断士 、一級土木施工管理技士

リンク/オリエンタル白石株式会社:
http://www.orsc.co.jp/
オリエンタル白石は、大いなる自然と大地、未来を見つめる都市を舞台に、プレストレストコンクリート(PC)・ニューマチックケーソン・補修補強などの特殊技術を活かし、社会資本の整備に貢献する総合建設会社です。

インタビュー

■現在の仕事について
弊社の特殊技術であるニューマチックケーソン工法および橋梁下部の補修補強工法の技術営業に2012年から従事しています。
技術営業とは、発注者や設計会社から上記の工法について、施工計画、概算工事費、概略工程、積算、設計などの技術的な問い合わせに対応する業務です。
明石高専を卒業してから30年を超え、私は入社後24年間、工事現場(21現場)に従事していました。高速道路建設の現場が多く、トンネル工事などにも従事し、どの現場も印象深いですが、2008年に初めて現場代理人を務めた第二音戸大橋下部工事の現場が特に印象深く、技術士二次試験の申込時に主な経歴として挙げた現場でもあります。
現場の写真と業務内容を以下に示します。
 1.立場、役割
広島県呉市で音戸の瀬戸を跨ぐ橋梁(支間長292m)の橋台(ニューマチックケーソン基礎、以下ケーソン)他2基の橋梁下部工事の現場代理人として施工計画立案および施工管理業務を行った。
 
2.問題点
ケーソンは、民家に約8mと近接しており平面寸法16m×30m、沈設長19mと大規模で、軟岩と中硬岩が複雑に層序した地盤のため、①工程、②沈設管理、③近隣住民への影響抑制が重要であった。
 
3.技術的解決策
問題点に対する解決策として下記の3点を計画した。
①調査ボーリングを追加し、地盤層序を面的に把握することで、掘削方法の変更を検討。②ケーソン基礎の沈設精度を確保するため、ケーソン基礎の隅角部に先行削孔(オールケーシング工法)を実施して、沈下抵抗の均一化を図るとともに、段発発破を併用。③騒音対策として、マテリアルロック防音装置および用地境界に防音壁(H=5m)を設置。
 
4.成果
岩盤の堆積状況を適切に評価できたため、岩盤掘削の方法を検討、変更することで工程短縮が可能となった。また、隅角部の先行削孔により、沈設精度は良好であった。また、騒音・振動レベルを事前検討し、ケーソンの防音装置および用地境界に設置した防音壁が有効に機能して、近接した民家から苦情もなく施工完了できた。

■高専を選んだ理由
1980年代初頭(バブル景気前)は、大学を卒業しても就職先が見つからない学生もいるような状況で、就職率100%が謳い文句の高専に興味が湧いたからです。

■高専で学んだこと
土木工学全般の基礎知識ということになりますが、私自身は勉強が苦手でした。
言い訳になりますが、当時は高専で学ぶ専門的な内容が、将来、どのように役立つのかをイメージ出来なかったからだと思っています。

■在学中の思い出

現在も連絡を取り合っている友人が出来たこと。
クラブ活動(ラグビー部)に打ち込んだことです。入社してからも、体力的に厳しいと感じたことはありませんでした。
 
■現在の高専生に一言
学校での勉強も大切ですが、挨拶ができるなど、コミュニケーションがしっかりとれる人になってください。
社会に出てから勉強することの方が多く、時間も長いです。
社会で起きているトラブルはコミュニケーション不足が原因の一つとなっているのではないでしょうか。
 
■メルマガ紹介
メールマガジン「オヤジの朝礼」をご存知でしょうか。
明石高専の先輩(土木20回:紀伊 保さん)が発行されており、内容は「毎朝、仕事や日常生活にかかわるポジティブな言葉を配信します。」とあります。一度、読まれてはいかがでしょう。

1988卒(22期生)柴原祥泰氏(協和設計株式会社)

プロフィール

柴原祥泰(しばはら・よしひろ)
1968 兵庫県姫路市生まれ
1988 国立明石工業高等専門学校土木工学科卒業
1988 協和設計株式会社に入社
2017現在 協和設計株式会社神戸支店 設計部次長

国家資格:技術士(建設部門), 1級土木施工管理技士

リンク/協和設計株式会社:
http://www.kyowask.co.jp/
1963年創立の建設コンサルタント。建設技術に関する計画・調査・設計業務を中心に、官公庁及び民間企業のコンサルティングを行っています。

インタビュー

 

■現在の仕事について
道路関連の調査・計画・設計・点検等,官公庁から受注した業務の管理・指導・統括をしています。
道路関連の業務といっても,新設道路の設計,これに伴う擁壁や函渠等の設計,交差点改良(交通渋滞・事故対策),駅前広場設計,騒音等環境予測,事業効果資料作成など様々です。ここでは私が若かりし20才台前半に設計した事例を一部紹介します。設計したものが実際に完成すると嬉しいもので,ものづくりに従事できたことを誇りに思います。

<設計事例紹介>
1.紀南地区国道バイパスの法面設計(1991年度)
入社4年目23歳の時に主担当として設計した業務です。長大切土法面の安定解析を実施し,ロックボルトやグラウンドアンカー等による斜面崩壊対策を計画したものです。泥岩と砂岩の互層からなる脆弱な地盤。掘削すると一気に土砂化する風化岩。何もかもが初めての経験で,基準書・専門書を夜遅くまで読み,過去の設計事例と対比しながら仕上げた業務でした。

2.千里中央地区暫定バスターミナル(1991年度)
上と同じく23歳の時に主担当として設計した思い出深い案件です。多くの人が利用するバスターミナルの歩道舗装は,安価で滑りにくい材質を選定しました。歩道舗装の組み合わせパターンやモニュメントのデザイン案は,色鉛筆で複数作成したことを今でも覚えています。ちなみに当時の設計図面はすべて手書きでした。

 3.大阪府茨木市内の府道バイパス(1992年度)

24歳の時に担当した道路設計業務です。大断面ボックスカルバートの構築時において近接する民家等への影響(施工時の掘削影響による変位)を最小限とするため,地中連続壁(SMW工法)を採用しました。この頃から配筋図など一部の図面はCADで作成していました。

■高専を選んだ理由
当時は大学の受験勉強がイヤ、大学へ進学しなくても明石高専であればどこでも就職できる、という不純な動機でした。

■高専で学んだこと
土木工学全般の基礎知識。これが非常に役立っていると思います。今でも会社のデスクに当時の教科書(専門書など)やノートを置いており,基礎を読み返すこともあります。

■在学中の思い出
高専祭や球技大会、同級生の仲間たちと過ごした時間。自分の思いどおりに勉強し,遊び人生の中で一番自由に過ごしていたと思います。

■現在の高専生に一言
カリキュラムは少し厳しいと思いますが,将来に役立つ基礎知識,学力や応用力は確実に身につくので自信を持って良いと思います。仕事は決して楽ではありません。都市システム工学の分野は広いので,その中でも在学中に自分のやりたい仕事・好きな仕事をみつけてください。