建設DX人材育成事業

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取組概要

建設DXとは

2022年3月、文部科学省の「「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に、明石高専の都市システム工学科と電気情報工学科が共同申請し、「建設DXをけん引する次世代型エンジニア育成事業」が採択されました。
  
建設産業は、計画、調査、設計、施工、維持管理の各プロセスの担当者が異なることや、元請けと協力会社で機能が分担されていることなどから、生産性や効率化が進んでいないのが現状です。そこで、明石高専では、社会基盤マネジメントのプロセス全体を俯瞰しながら、最新のデジタル技術を駆使して得た多次元データを分析し、新しい価値創造につなげながら、建設分野の省力化、効率化、生産性向上などの建設DXをけん引するDX人材「次世代エンジニア」の育成を図ります。これが建設DXの概要です。
  
この事業では、都市システム工学科の実験・実習のカリキュラムの高度化(DX化)が中心となっており、この取り組みを電気情報工学科が自学科の実験実習の高度化と合わせて支援を行います。また、高度化した実験実習のうち、DXスキルとして基盤となるものは、機械工学科、建築学科へも展開し、全学の実験実習の高度化を目指して取り組みを進めます。都市システム工学科と電気情報工学科の実験実習のカリキュラムの高度化は、2022年度に準備を行い、2023年度から開始されます。 

DXスキルとは

 「デジタル×専門分野」の趣旨のもと、すべての学生、教員が専門分野にデジタル技術を高度に導入、活用できることを目指します。これに向けて、実験等で得られたデータ(情報)を収集、再構築、可視化をPython(パイソン)等を用いて実施し、AI,機械学習を適用して、評価、考察できることをDXスキルとし、本取り組みで習得できるよう進めていきます。

取り組み内容

 本取り組みでは、測量実習や工学実験、社会基盤メインテナンス、卒業研究などの実習系科目にDX教材や技術を取り入れ、学生自らが現場でDXを活用できるように、教育カリキュラムの高度化と実践を進めていきます。
 1年次の必修科目として、2021年からデータサイエンス入門、データサイエンス演習を導入し、数理・データサイエンス、AI技術を、読み書きそろばんレベルで習得できるよう、カリキュラムの改訂を行いました。
  
 明石高専のDX人材育成の取り組みは以下の通り。
 ◎データサイエンティストの能力養成
■「データサイエンス入門、演習」を全学科必修科目として開講
■2年生以上の情報系科目で、自ら得た実験データや研究データをデジタル処理して取捨選択、分析、評価できるスキルを養う
 
◎データサイエンティストの能力を備えた建設エンジニアの育成
■測量系科目(電子平板と連動したトータルステーションや3Dスキャナー、ドローンを活用したデジタル測量)
■設計系科目(3DCADとCIMによる設計演習を導入)
■施工系科目(センサー搭載自律制御型建設重機、ドローン測量、建設3Dプリンターの導入)
■卒業研究(高度化したカリキュラムを通して習得したデジタルマインドとスキルを生かし、社会的課題を解決し、新しい価値を創造する)
【実験実習施設へのDX建設施工現場の再現】
■「インフラ総合実験棟」でICT施工を実現し、最先端の実験実習環境
 
◎企業など、教育アドバイザーによる伴走型支援

◎カリキュラムや教材の展開・共有
■他高専生向けに授業公開・単位化を目指す
■地域の企業や社会人、明石高専職員など、大人の学び直しやスキルアップ活用を想定
■初中等教育支援として「STEAM教育実践モデル校事業」を実践する兵庫県教育委員会や明石市と密に連携しながら、より一層未来の理工系人材の養成に努める