1996年度(平成8年度)

テッポウエビの研究(1996年〜 ):
テッポウエビに関する一連の研究は大学4年生で研究室に配属されて以来のテーマです!

 本研究は、博多湾の人工島建設に伴う総合的な環境評価の中で生物生息環境に関わる項目の1部分として山口大学の関根教授が携わっていたものです。貧酸素水塊から影響を受けたカレイなどの底魚やテッポウエビなどの底生生物の挙動を調べるものでした。研究のけの字もしらないまま博多湾の上で3日3晩の過ごしました。当時は、テッポウエビの発音回数の変化を調べ、貧酸素水塊との関係性を調べるとこが大きな目的でした。また、友人の上浦君はカレイに発信器を付けて貧酸素水界からどう逃れるのか追跡するものでお互いに協力して6月と8月の調査を行いました。私は毎月でしたが・・・。
9月から指導教員の関根先生がカナダに留学され・・・残された私はe-mailで指導を受けることに、テッポウエビの研究テーマの院生がいなかったので、卒研提出間際には学校に泊まり込みストレスに耐える日々を送りまた。つらい思い出しかないのですが、この調査が今後の人生のターニングポイントになったのだと今は思えています。


1997年度(平成9年度)

テッポウエビの研究(1996年〜 ):
無事に大学院生となり、研究のパートナーの4年生江上君ができました。残念ながら97年度の写真がなくなっていました。研究テーマはテッポウエビが環境指標として使えるかどうかといった指標性の確かめる目的と変化しました。江上君とは近くの海で各週の調査、1週間の連続調査、季節ごとの24時間の連続調査などを行いました。小雪の降るなかの冬場の24時間調査は想像を絶するものがありました。実験室では遊泳実験は、貧酸素、硫化水素に対する耐性を確かめる実験をしていました。



1998年度(平成10年度)

テッポウエビの研究(1996年〜 ):
修士2年生となり、新たに4年生の上田君を迎えました。江上君にはもう一つ景観評価という研究テーマが加わり少しずつ私の元を離れて行きました。
研究テーマはテッポウエビのパルス数が環境指標として有用であるか確かめることを目的としました。昨年の調査・実験を引き続き行いつつ、宇部市沿岸の底質の異なる海域で岸から沖合1kmの間のテッポウエビのパルス音の分布状況を調べました。



1999年度(平成11年度)

 自分の実力をかえりみず博士課程に進学してしまいました。完全に江上君が景観評価にテーマを変え、修士課程に進学した上田君と2人のチームになりました。環境指標としてのテッポウエビのパルス数測定の有効性を確かめることを目的に、山口県沿岸部と東京湾沿岸部のパルス数分布調査ならびに、テッポウエビ音の音源音圧レベルの測定などを行いました。山口県沿岸部調査は春夏秋冬に3,4日かけ20〜30km間隔のパルス数を観測しました。

8月30日〜9月4日 水中マイクの感度測定(東京水産大学)と東京湾パルス数分布調査
 @東京水産大学濱田先生の音響実験水槽 A東京水産大学の桟橋にて、正三面体の音源音圧測定用フレームの組立 B等居水産大学館山実習場の桟橋 C音源音圧測定装置を海中に投入する準備 D富津漁港にて漁船をチャーター E移動・宿泊用の先生の車

卒研・修士の学生の研究指導 :
このころから自らのテーマ以外についても直接指導するようになりました。
@ホタル護岸の有効性に関する研究:4月から6月にかけて、恋人達がホタルに見とれる中、川の中でホタルの幼虫の上陸を観察したり、羽化トラップを仕掛けたり、産卵用のミズゴケをメンテナンスしたりする研究です。
A産卵用のミズゴケを回収し、研究室で孵化率を測定しました。
B真締川魚類生息調査:川の地形を測量したり、流速を測定したりです。


2000年度(平成12年度)

 D2となりました。テッポウエビの研究はこれまでの調査を繰返しデータを蓄積していくことが主な目的となっています。

 @溶存酸素耐性実験の確認実験 A溶存酸素調整用の窒素と空気ボンベ B今井先生の義父さん所有のヨットによるテッポウエビ調査 C調査がいつの間にかヨットの訓練に D干潟におけるテッポウエビの分布調査の準備 E水中マイク正方形配置によるテッポウエビの発音位置測定実験 F水中音響の4CH録音 Gテッポウエビの巣穴位置の平板測量 Hスコップを用いたテッポウエビの直接採取


2001年度(平成13年度)

 ついにD3となりこれまでの研究をまとめる年となりました。上田君も無事に修士課程を修了し、水元くんとの2人チームに。

 @テッポウエビ音源位置測定実験と生息密度調査 A山口県沿岸域の調査 B漁港周辺のパルス数分布調査

土木学会中国四国支部 学生見学会・懇親会の企画 :
山口大学で開催された土木学会中国四国支部研究発表会において学生見学会を企画しました。
@チャーターしたバスの前で水元君と。 A一の坂川ホタル護岸見学 B研究発表会、見学後の学生懇親会


2002年度(平成14年度)

 山口大学ベンチャービジネスラボラトリーのポスドクになりました。テッポウエビの研究を継続するとともに、関根研究室の卒研、修論の指導を行っています。

 @萩市三隅川魚道アイスハーバー魚道アユの遡上実験 A萩市三隅川多自然水路のアユの遡上実験 B萩市三隅川魚道ブロックのアユの遡上実験 C発信器を付けたアユ D電波テレメトリーアンテナ受波器 E発信器を付けたアユの捜索 F河川内の音の分布測定 G魚道ブロック内の流れの記録 H土木学会全国大会(北海道大学)ついでのテッポウエビ調査


2003年度(平成15年度)

 山口大学ベンチャービジネスラボラトリーのポスドク2年目となりました。テッポウエビの研究を継続するとともに、関根研究室の卒研、修論の指導を行っています。
 本年度を持って山口大学を離れ、2004年度から明石工業高等専門学校都市システム工学科にお世話になる事になりました。関根先生の下で大切な時間を過ごすことができたことを大変幸せだったと感じています。長い間大変お世話になりました。

 @萩市三隅川魚道下見 A萩市玉江川魚道ブロック区間のアユの遡上実験 B萩市玉江川魚道自然区間のアユの遡上実験 C宇部市沢波川気泡混入量の測定 D萩市三隅川魚道プール内の3次元流速測定 Eアイスハーバー魚道プール F佐波川魚道内の3次元流速測定 G三隅川多自然型水路内の3次元流速測定 Hアユの環境選好性実験水路