明石高専

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なぜCo+workなのか

学生がこの明石高専を巣立った後、訪れる人的環境を想像してみると、専門分野が異なる、年齢が違う、考 え方も違う人々とのなかで生きていかなければいけない状況が容易に想像できる。そのような環境の中、あるミッションや目的に向かって仕事を進める能力が必 須であれば、その環境を作り出し、その時必要な能力である「自立」「協働」「創造」の力をつける科目を準備することは、我々教員の責務ではないだろうか?

現 在、明石高専で実施されている教育カリキュラムは、先達から受け継がれ、洗練され、社会が必要とする知識、技能を体系的に学ぶことができる充実した内容で あることは間違いない。それでもなお、重要な座学や実験実習を削減してまで本新規科目を検討する背景には、「入学してくる学生の質的な変化」、「エンジニ アとして求められる能力の変化」、「ICT による学びの環境の変化」が挙げられる。

「入学してくる学生の質的な変化」については、少子化を背景としたコミュニケーションの圧倒的不足、遊びの個人化、均質化された体験や過度な安全追求による圧倒的な経験不足を抱えた学生が増えていることを、我々教員はまさに日々の指導のなかで実感しているところだろう。

「エ ンジニアとして求められる能力の変化」については、知識の詰め込みでは、創造力は養えないという意見がある一方、知識をないがしろにして思考力、想像力は 養われるはずがないことも確かである。座学による知識習得や実習は、詰め込んで理解する段階で終わってしまうのではなく、それらの知識を活用させ、定着さ せる経験があってはじめて創造力が生まれるものと考える。現行の「大学入試センター試験」に代わる新しい大学入試制度について、文部科学省の中央教育審議 会(中教審)が、2020 年に大学入試制度を大きく変える答申を出している。その内容は、これまでの、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学習意欲」の養成に加え、「主 体性・多様性・協働性」を重視し、小論文や面接、集団討論を実施し、評価テストの結果と合わせ合否を判定するというものである。高校と大学の教育を変える ために入試を変えようとするこの動きに対応して、高校で実施される教育カリキュラムが変わることは必然である。それはつまり、過半数以上の学生が大学へ編 入する明石高専の学生についても、その影響を避けては通れず、大学編入の入試方法が、「主体性・多様性・協働性」を重視した方向性に転換されることを見据 えて、早急な教育カリキュラムの対応を行うことは、高専教育を行う者の当然の責務であると考える。

「ICT による学びの環境の変化」については、コミュニケーション手段としてのSNS や、インターネット活用によって、容易に学びの環境を得て、知識の習得を行うことが可能となってきた。この流れに対し、我々教育者が、多くの学生、教職員 がいる学校という場で、何を教え、何を経験させるのか、その場でしかできないことは何か、を改めて考える必要がある。つまり、知識を自分で得ることのでき る環境の中、いかに学び続ける姿勢・能力を身につけられるか、そしてそのために、学校教育はどのように働きかけられるか、我々教育者の役割は、知識の伝達 である「ティーチング」を超えた「コーチング」へと変わりつつある。これは、学生の挑戦のみならず、我々教員も挑戦しなければならないことを意味してい る。学生を教育する立場において、時代の要請に応える教育を行う能力を養うことが、今まさに我々自身に求められていると考えている。