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授業風景 構造物の支点に生ずる力の計測実験
橋や送電鉄塔,パイプラインなどの構造物を支える箇所(支点)には,構造物の自重(死荷重)や自動車の重さ,風圧などによって力が発生します.専門的には,この力は支点反力(してんはんりょく)と呼ばれています.橋の支点部の周辺は,支点反力を用いて設計されます.さらに,橋の場合には,自動車や列車が通行するため,時々刻々とそれらによる力の作用点や大きさも変化します.このため,力の作用位置によって支点反力も変化することになります.
一番上の図に示すように,橋に作用する自動車の重さなどの力を,一組の大きさが1.0の力に理想化し,それが橋の一端から他端へ移動する際の支点反力の変化する様子を表した図は,支点反力の影響線と呼ばれます.都市システム工学科では,3年生を対象に開講されている「構造力学」で,支点反力の計算方法を学びます.そして,都市システム工学科の4年生を対象に開講されている「工学実験Ⅲ」では,計算から求められる影響線が,理論的に正しいものであるかを確認するため,上から二番目の図に示しているような実験装置を使って確かめます.
この実験装置は,上から二番目の図に示すように,両端の机の上に,支点反力が計測できるように卓上はかりを設け,さらにその上に支点を介して鉄製の棒を載せたものです.鉄製の棒は橋のけたに相当し,事前にその重さを計測するとともに,支点のA,Bからそれぞれ100mm間隔で線を引き,それらを点1~9と名付けています.そして計量されたカゴに1キログラムの重りを載せ,このカゴをそれぞれ100ミリメートル離れた点1~9まで移動させて,A点とB点に設けた卓上はかりの値を読み,データシートに記録します.
実験は4つの班に分かれて行い,いずれの班も全ての点で計測を終えると,計測結果を整理し,一番上の図に示した影響線と計測結果を比較します.いずれの班の計測結果も,殆ど影響線の上にプロットされており,構造力学で学んだ影響線の妥当性を実験から確認することができたようです.
次回の実験は,指定された制約条件の範囲内でケント紙を使用して橋けたの模型を設計,製作し,その強さと軽量性を競うものです.今回の実験では,使用できる実験装置が1台しかないため,学生たちは待ち時間を利用して,次回の実験で製作する橋けたの模型の設計について話し合いをしました.






